人工関節を入れたあと、「障害年金はもらえるのだろうか」と疑問を持つ方は多いです。
痛みが軽くなっても、動作の制限や日常生活への支障が残ることは少なくありません。
本記事では、人工関節を挿入した方が障害年金を受け取るための条件と、手術日が障害認定日になる特例について専門家が解説します。
人工関節による障害年金の受給条件
人工関節を挿入した場合、以下の条件を満たせば障害年金の対象となります。
- 人工関節を「挿入した」こと自体が、原則として障害等級3級に該当
- 障害認定日の特例により、手術日が認定日とみなされる
- 初診日が国民年金(基礎年金)の場合は、日常生活の制限度合いにより1級または2級に該当しないと対象にならない。
手術を受けた日が障害認定日になる
厚生労働省『障害認定基準 下肢の障害』では、「人工関節を挿入したもの」は原則として障害等級3級に該当するとされています。
また、通常の障害年金では「初診日から1年6か月経過した日」が障害認定日ですが、人工関節のケースには特例があり、「手術を受けた日」=障害認定日として扱われます。
この特例により、術後すぐに障害年金の請求が可能になる点が一般的な疾患と異なります。
初診日と診断書の記載内容に注意
実務で注意すべきは、初診日の特定と診断書の記載内容です。
関節疾患(変形性関節症・関節リウマチなど)の初診日が、厚生年金加入中か国民年金加入中かによって、受け取れる年金の種類が変わります。
また、診断書には「可動域の制限」「杖の使用」「階段昇降の困難さ」など、生活上の制限を具体的に書いてもらう必要があります。
まとめ
人工関節を入れた場合、条件を満たせば障害年金の対象になります。
特に「手術日が認定日になる特例」がある点は見落とされがちです。
請求の可否や手続きの進め方は複雑なため、早めに専門の社会保険労務士へ相談することをおすすめします。

