双極性障害(躁うつ病)は、気分の波が大きく、社会生活を安定して続けることが難しい病気です。
調子が良い時には働けても、再び抑うつ期に入ると休職や退職を繰り返してしまう方も少なくありません。
この記事では、そうした「波のある状態」でも障害年金の対象となる条件を、実務の視点から解説します。
双極性障害で障害年金を受け取る条件
双極性障害で障害年金を受け取るためには、主に次の3つの条件を満たす必要があります。
- 障害認定日において、気分の波により日常生活や就労の維持が困難であること
- 初診日に国民年金または厚生年金に加入していること
- 初診日前までに保険料納付要件(原則として2/3以上の納付または免除)があること
双極性障害で障害年金を認定される判断基準
双極性障害は「精神の障害」に分類され、『精神の障害に係る等級判定ガイドライン』(平成28年改訂)に基づいて認定されます。
このガイドラインでは、躁状態・抑うつ状態それぞれの症状よりも、「気分の波により社会的機能がどの程度維持できているか」が判断の中心です。
たとえば、躁状態で対人トラブルを起こしたり、抑うつ状態で家事や出勤が続かないなど、生活上の支障が継続している場合は、2級または3級に該当する可能性があります。
症状の波を診断書に反映させることが重要
双極性障害の請求で最も難しいのは、「症状の波」を診断書に反映させることです。
一時的に調子が良い時期に受診すると、医師が「軽症」と判断してしまうことがあります。
そのため、長期的な経過(躁うつの反復や社会的な破綻の履歴)をカルテで補足することが重要です。
また、最初に受診した医療機関が「初診日」となりますが、うつ症状で通院を始め、その後に双極性障害と診断が変わった場合も、最初の受診日が基準になります。
まとめ:双極性障害の評価の中心は社会生活への不安定さ
双極性障害では「良い時期があるから対象外」と誤解されがちですが、実際は波による社会生活の不安定さが評価の中心です。
仕事や生活が繰り返し崩れている場合は、早めに専門家へ相談し、適切な証拠の整備を進めることが受給への近道です。
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