「障害年金の診断書をお願いしたら、医師から断られてしまった…」
この状況は、精神疾患に限らず、脳疾患・難病・外科疾患など幅広いケースで起こり得ます。
本記事では、なぜ断られるのか、そのとき何ができるのかを、制度と実務の両面から解説します。
診断書の記入を断られても前に進める可能性あり
診断書が断られた場合でも、次の3点を確認することで前に進める可能性があります。
- 医療機関内でも「どの部署」で作成拒否しているかを確認する
- 現在の主治医が障害の状態を十分に把握しているかを見直す
- 書けない理由を明確にし、その理由に応じて別の医療機関や補足資料で対応する
障害年金の診断書作成は医師にとって負担が大きい
障害年金の診断書は、一般的な診断書とは異なり「障害認定基準」に沿って詳細な医学的評価を求められるため、医師にとって負担が大きい文書です。
医師法19条では、医師には診断書の交付義務がありますが、これは“医学的に評価可能な範囲で交付すべき”という意味であり、正当な理由がある場合には作成を断ることも認められています。
実際には、通院期間が短いクリニックや、障害年金の基準に不慣れな診療科では、「現在の診療だけでは日常生活の制限度合いを判断できない」「専門外のため医学的に責任が持てない」といった理由で作成に慎重になることがあります。
これらは医師法上の“正当な拒否理由”に当たるため、制度上も実務上も珍しくありません。
診断書を書いてもらえなかった時の対応
診断書を断られた場合に最も重要なのは、医師が“なぜ書けないと判断したのか”を具体的に把握することです。
理由によって、その後の対応は大きく変わります。
例を見てみましょう。
- 例1)「通院期間が短く、状態を十分に把握できていない」という理由の場合
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医師が判断材料として不足している情報を補う必要があります。
前医のカルテ、検査結果、日常生活の困りごとをまとめた記録などを提出することで、評価が可能になるケースもあります。
- 例2)「専門外で責任をもって評価できない」という理由の場合
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その診療科では障害年金用の評価が難しい可能性があります。
この場合は、紹介状を受け取り、障害認定基準に沿った評価ができる診療科へ転医して診断書を作成する方法が現実的です。
- 例3)主治医以外に作成拒否されている場合
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医療機関によっては、外来受付で断られても、実際には主治医は作成可能というケースがあります。
どの部署で拒否されているのかを確認し、主治医本人と話す機会を設けることで解決する例も少なくありません。
書けない理由を細かく整理し、その理由に合った情報提供や医療機関を選ぶことが、障害年金の請求では実務上の大きなポイントになります。
まとめ
診断書を断られた場合でも、医師が書けない理由を把握し、必要な情報を補ったり、適切な診療科に切り替えたりすることで、障害年金の請求を前に進められることがあります。
状況によって取るべき対応は大きく異なるため、早い段階で専門家に相談し、医療機関との連携方法を整えることが安心につながります。
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