障害年金3級でもフルタイム勤務はできる?― 精神障害と身体障害で異なる判断基準 ―

障害年金受給中でも働ける?

フルタイムで働けると障害年金はもらえないと思っていませんか?

障害年金3級を受給しながら働いている人は多くいらっしゃいます。

しかし「フルタイム勤務をしている=支給されない」と思い込み、請求手続きをためらう方も多いようです。

実際には、フルタイムで働いていても受給できる場合があります。

本記事では、精神障害と身体障害などの精神障害以外での異なる判断の仕組みを解説します。

働いていても条件を満たせば受給可能

障害年金3級は「働けるかどうか」ではなく、「どのような制約のもとで働いているか」で判断されます。

ポイントを以下のようにまとめました。

  • 仕事内容や職務制限の有無
  • 収入額よりも障害の程度(労働制限の有無)が重視
  • 障害の種類(精神・身体)によって評価基準が異なる

判断基準は「労働への制限」が著しいかどうか

厚生年金保険法第47条では、3級の認定要件を「労働が著しい制限を受ける程度の障害」と定めています。

身体障害の場合、失明や片腕・片脚の喪失など、身体機能の永続的制限が中心です。

一方で、精神障害(うつ病、統合失調症など)は、症状の波や職場での支援体制を踏まえた就労の安定性が判断材料になります。

つまり、同じ「フルタイム勤務」でも、障害の性質により評価が異なります。

診断書と就労実態の整合性が重要

精神障害の場合は、診断書(様式第120号の4)に記載される「日常生活能力の程度」だけでなく、実際の勤務状況も含めて障害の程度が判断されます。

職場での支援なく一定の業務量をこなしている場合や、仕事内容から難易度の高い仕事をしている場合、また安定的に自力で通勤できている場合などは「労働に著しい制限があるとは認められない」と見なされ、支給されない可能性があります。

身体障害の場合は、就労の有無よりも障害の固定性と永続性が重視されるため、仕事をしていても継続受給できる例があります。

いずれにしても、勤務内容や配慮の有無を医師に正確に伝えることが大切です。

まとめ:働き方を含めた「労働への支障の程度」で判断される

障害年金3級は、フルタイム勤務でも受給できる可能性があります。

ただし、精神障害では就労状況の影響が大きいため、請求書や診断書の作成時には専門家に相談することをおすすめします。